オフィスを現場にする、
現場をオフィスにする
ビジネスのプロセスには、多くの部署や担当者が関わる。そのメンバーの働く場所は広範囲にわたり、まったく別の現場で働いていることも多い。それらの現場をつなぐ方法があれば、チームはもっと強くなれるはずだ。身近なオフィス内だけでなく、遠くの現場とも交流できるようなワークプレイスが求められている。
 
デザイナーと顧客をつなぐ創造空間  
ファッションシューメーカーToplineがビジネスを成功させるには毎シーズン、顧客を引きつける商品を開発し続けなければならない。倉庫を改装してつくった新本社で、デザインスタジオの中心にショールームを据えたのもデザイナーと顧客をつなぐことによって、より魅力的な製品を創ろうとする意図からだ。
 
Topline / Bellevue, Washington, USA
人材の融合とイノベーションハブが組織革新のドライバ  
世界第2位の巨大製薬会社、GlaxoSmithKline(以下、GSK)は、今、成長分野であるコンシューマーヘルスケア部門を、5年間で2倍の規模にする目標を掲げている。ブランドごとに組織したクロスファンクショナルチームに新しいワークスペースとして「イノベーションハブ」を提供し、目標達成を目指す。
 
GlaxoSmithKline / Parsippany, New Jersey, USA
組立工場の工員とオフィスのエンジニア、両者が融合する巨大空間  
組立工場で作業にあたる工員と、オフィスでPCに向かって設計に取り組むエンジニア。住む世界が異なる両者の間には、これまで深い溝が横たわっていた。だが、航空機メーカーBoeingのレントン工場では、強力なリーダーシップの下、両者の断絶を取り除く改革プロジェクトを断行。生産効率の飛躍的な向上を成し遂げた。
 
Boeing / Renton, Washington, USA
物理空間と交錯するテレビ会議  

ワークプレイスのICT(情報通信技術)として、メールや電話に加えて映像を使った遠隔コミュニケーションを利用することが増えてきた。これまでのテレビ会議に加えて、パソコンを使ったビデオチャットを使う機会を持つようになった人も多いだろう。テレビ会議そのものもまた、かつてに比べ映像の高解像度化、ディスプレイの大型化・低価格化が格段に進んだこともあって、出張経費の削減のため、あるいは迅速な意思決定のため、さらに近年ではCO2排出量削減のため、導入に踏み切る企業も増えている。

今回は、そんな映像を使った遠隔コミュニケーションの幾つかの流れを確認するとともに、大型ディスプレイの普及にともなうテレビ会議の進歩、そして映像と物理的な空間の関係がもたらすコミュニケーションのパターンの違いをとらえようとする研究までを紹介する。映像によるコミュニケーションは、オフィスという物理空間とどのような関係を持ちうるのか、ワークプレイスにおいてどのような可能性を秘めているのか。今とこれからについて、考えてみよう。

議論と干渉が巻き起こる組織へ  
これまで、その重要性は理解されつつも、課題解決の方向性を絞りづらかったコミュニケーションについて、「ビジネス顕微鏡」というツールを使い定量化を試みた。さらに、定性評価と組み合わせることで、パフォーマンスに関しても分析を行った。そこから見えてくるオフィス構築のヒント、コミュニケーション変革ツールとしての可能性を探る。

自然体のオフィス  
自然な心地よさ、自然な振る舞い、自然と発揮される創造性…、人が人として自然に働くことができるおおらかなワークプレイスをここでは「自然体のオフィス」と呼ぶ。「多様性」「偶発性」「移ろい」の3つの切り口から、今求められる自然体のオフィスのあり方とその実現の方法を探る。
デザインが生まれる現場を訪ねて  

今回訪れたToplineとBoeingの物件をデザインしたのは、建築設計事務所NBBJである。ECIFFOではこれまでも、彼らが手がけた物件に注目してきた。Reebokをはじめ、いずれもワークプレイスの創造が組織の変革と密接に結びついた事例だ。彼らはオフィスデザインを通じて、変革を手助けしてきたのだ。そんな彼らのデザイン哲学や仕事場、代表的なオフィスプロジェクトを紹介したい。